他人の手間と自分の手間

事務局として社長への確認業務が発生した時、当然、最終的にきちんと決断・決済をするのは社長です。ですが、決断をしやすく提示するのは、こちらの仕事です。

間違えそうな部分には注意を促し、自分が間違えたり勘違いした経験のある部分にはその事例を示し、迷いがある部分はより良いと思う方の完成形にして、根拠を添えて説明し、社長に選んでもらう様にします。このようなことをすると、自分の事務局としての仕事の効率も劇的に上がります。社長の手間を極力減らすための、自分の手間は惜しまないことです。



■ 間違えそうな部分には注意を促す

書類内で、チェックを忘れてしまいそうな項目がある場合は、付箋をつける、番号をふってみる順番をつける、などの工夫をします。
しかし、いつも忘れがちな項目がある書類というのは、フォーマットにそもそも問題があります。省スペースだけを考えて作られた書類は、行や列の幅がバラバラの、結合枠がたくさんあるフォームのことがあります。世の中のほとんどの申込み系の書類や、役所の書類はこのパターンです。紙の面積を最大限に活かした書類です。しかし、記入する側のことを考えると、上から下に一直線に項目を降りていくのが書き漏れがなく、記入が楽です。記入漏れがないということは、書類を受け取る側にとっても最も利点があるはずです。もし社内の書類なら、ぜひフォーマットを見直してみてください。いつも記入漏れをするスタッフが記入漏れをしなくなります。なぜでしょう?フォーマットが良くなったからです。そのスタッフが注意力がない、そのお客様の記入の仕方が悪いのではなく、書類フォーマットが悪いのです。お客様の記入が順調なら、申込み率は上がります。事務は営業の売上に直結する好例です。きっと効果があります。ぜひトライしてみてください!


番号が記されているのでガイドになってはいますが、そもそも(6)が見つけにくいですね。

1行に1項目ずつしかなく、縦に進んでいけば記入漏れがありません。スペースがあるからといって「年齢」の横に「性別」を書かせる必要はないのです。


■ たたき台として完成形を提示する 
捨て案として完成形を作ってしまい、そこに指摘や要望を取り込むことにすると、完成が早まります。社長がもつイメージを的確に言語で伝えてくれるとは限りません。社長の能力を私が全部理解できるとも限りません。ですから、たたき台としての完成形があると、社長はたたき甲斐があり、修正しやすくなります。自分のイメージとの違いを言語化しやすくなります。心優しい社長の場合、「せっかく作ってくれたのにごめんね」「もっと箇条書きの状態でもいいのに」ということもあるかもしれません。ですが、本当に箇条書きの状態でイメージを共有するところまでいくのは至難の業。「私の案を作ってみたのですが、ご確認いただけますか?ここからどんどん修正するつもりです」と持って行けば、非常に進みやすい、というのが実感です。例えば契約書、招待状や案内状の文面、見積書のフォームなど。最初に9割まで形を作ってしまうことで全体のスピードが上がります。




■ 自分の手間を惜しまない 
社長の確認が必要な書類、しかし直しが入るはず、だから修正可能な状態で見てもらおう、という状況があると思います。しかし、このとき、修正可能な状態は自分の控えとして保管し、社長には、もしこのままOKが出て、客先まで持って行くよ!と言われてもいい状態で提出しましょう。例えばエクセルファイルで作成した売上集計表など、セルを触ってしまうと計算が変わってしまう状態は、確認のための提出とは言えません。そのままプリントしたとしても、印刷範囲に収まるよう、設定済みの状態、またはPDFファイルにした状態での提出をするべきです。修正があると思ったがOKとなったとき、またPDFの状態をチェックしてもらう必要があるとしたら、それは社長にとっては手間です。しかし、再集計をチェックしたい社長はエクセルのまま、プリントできないようなエクセルでは仕事として4割くらいの出来と評価するでしょう。「また修正があるかもしれないのでエクセルのまま見てください」というのはこちらの手間を惜しんでいるだけ。PDFにするのは今やボタン一つです。昔のように起動に時間のかかる別のソフトを立ち上げて、変換にものすごく時間がかかるというわけではありません。相手の手間を極力減らし、自分の手間を惜しまないことです。その手間を押し付けられた社長は、手間とは気づかないうちに、面倒だなーという気持ちを蓄積していきます。逆にこちらで面倒を省いてあげれば、この人のチェックはすぐできるからすぐやろう!と無意識に思ってくれます。こうやって、自分の業務の決着を速めていくのも事務番長のテクニックです。社長への愛情です。






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